U先生の【保育あれこれ宝箱】

公立・民間合わせて保育20年、これまでの経験や知識を、できるだけ多くの人に届けたい!

【保育・子育て・言葉】子どもの心にひびく言葉がけ

保育や子育てのなかで、言葉でのコミュニケーションについての悩みは尽きないのではないでしょうか。

 

「この子は言葉が遅いのではないか」と、悩む方も多いかと思います。

 

言葉が育つためには、いくつかポイントがあります。

 

 

言葉はツール

 

言葉はツールです。

情報を伝える手段であり、道具です。

つまり、

伝えたい相手と伝えたい内容があって、初めて言葉が育ちます。

 

相手に伝える必要のないことばもあります。

簡単に言うと独り言ですね。

 

子どもが遊びながらブツブツしゃべっているのを、子どもと関わる方なら一度は見聞きしたことがあると思います。

 

(内言と言います。ピアジェは自己中心的言語とも呼んでいます。)

 

これは、誰かに向けて発信したものではなく、自分に向けて発したものが、言語化されているものです。

 

「これはなに?」ときくと「これはなに?」と返すような、聞いた言葉を聞いたそのまま返すのも、言葉をツールとして使えているか、疑わしい部分が多いです。

 

(エコラリアと言います。オウム返しという名称は使われなくなっています。)

 

 

 

子どもの立場に立つと…

 

子どもは経験したこと、嬉しかったこと、できたこと、困ったこと、手伝ってほしいこと、いろいろなことを大人と共有したいと思っています。

 

それを、身近なお母さん、お父さん、先生が聞いてくれたらどんなに嬉しいでしょう。

 

言葉を育てるためには、まずは人との関係を充実させていく必要があります。

 

たくさん言葉をかけるだけではなく、一緒に遊ぶ、思いに共感する、いつも見てるよと安心できる環境を整えるなど、親子の関係を強くしていくことが重要です。

 

「これは、りんご」などと、一方的に物の名前をくり返し伝えても、知らん顔されたり、一向に興味をもたなかったり、あまりうまくいかないでしょう。

 

 

大人の立場に立つと…

 

「たくさん話しかけているのに、全然理解してくれない」

「分からないのは、もしかして障がいがあるのでは?」

 

などと、どうしても原因を子どもに求めがちです。

 

子どもは子どもで、心地よい言葉とそうでない言葉をききわけています。

 

心地よい言葉には、笑顔でうなずいたり、目線があったり、緊張感がほぐれたり、行動や表情に表れるはずです。

 

どうしたら、子どもの心にひびく言葉がけができるのか。

 

子どもはどう大人を見ているのか、子どもの立場に立って考えてみましょう。

 

大人の思いや伝えたいことが、子どもの心にひびいているか行動や表情に出ているか、確認しましょう。

 

自分だけでは気づきにくい時は、身近な大人と力を合わせてみましょう。

 

正解のない地道な作業ですが、心と心の距離を少しずつ近づけていくことが、言葉を、コミュニケーションを豊かにする近道だと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

ハッピー子育てライフを!