障害者の結婚に“不妊処置”を提案 「強制ではない」…背景に子育て支援の限界か 専門家からは“人権侵害”の指摘も(北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース
このニュースを見て、まず衝撃波を複数回味わいました。
まず第一波。
結婚も、子育ても、その人が決めるべき専権事項であるというのは異論のない事実だと思います。
結婚したカップルの多くが子どもを望むのは、自然なこと。
それは基本的な人権の一つです。
自分の人生は、自分自身が決める。
それが当たり前にできる社会が理想ですし、全員が全力で目指すべき姿です。
ただ、障がいがある人は、たまたま自分1人の力では生活できないので、サポートが必要です。
それは、人間らしい生活をするために、受けて当たり前のサポートです。
それが福祉です。
サポートを受ける人に感謝の心持ちはあってもいいかもしれませんが、義務でも強制でもないはずです。
子どもをもうけて、子育てをする。
その選択の自由はどんな人でも持ち合わせているはずです、たとえサポートなしでは生活できない人であったとしても。
それができないのは、社会のシステムの方がおかしいと僕は思います。
福祉の力が足りていないのです。
ニュースから読み取ると、子どもはサポートの対象外だから、という理由で、同意をとっていたとしても、もちかけているのは施設側。
施設を出るのは、生活ができなくなるのと、同意。
つまり、今まで通りの生活を望むなら、結婚してもいいけど、子どもは諦めてねという宣告。
これは完全に人権侵害です。
コレがまかり通るなら、何も障がいをもたない健常者の一般人を、無作為で何割か抽出して、おんなじことを提案したらいいんです。
これまで通りの生活をしたいなら、結婚してもいいけど、子どもは諦めて、と。
理由を問われたら、あなたのせいではないのですが、あなたの子どもはサポート外なんですって、同じように伝えたらいい。
こうでもしないと、この狂気の沙汰は、わからない人が多いのではないでしょうか。
現実問題、大変なことは想像できます。
でも、それでも、これだけのニュースになっている、この問題が現在の日本で起きていること自体が大問題であり、多くの人がもっともっと関心をもって自分のことのように考えるべきことではないか、と思うのです。
そしてもう一つの、衝撃波第二波。
ニュースのコメントに、施設側の判断を支持している人のコメントの方が多いということ。
「子どもにとって適切な環境なのか」
「公費の負担が大きい」
「不妊処置を強制したわけではない」
「幸せな夫婦生活だけでよい」
ビックリしました。
心底、こう思う人がいるならば、全部自分に降りかかってきたことだとしたらどうしますか??
こんなことを自分が言われたらどうしますか?
何を思いますか?
誰しもの育児環境は最適ですか?
障がいがないから?
公費の負担が大きい?
あなたは公費にお世話になってないとでもおもっているのですか?
自分は、健常者だから関係ない?
冗談じゃありません。
誰もが障がい者になる可能性があるのです。
障がいを持った人たちに、全く配慮しないコメントが、さらりさらりと次々に出てきて辟易します。
日本は、障がい者差別天国です。
障がいをもつ人も、そうではない人も、みんなで支え合っていく社会が望ましいと考えます。
自分さえよければいいのか。
様々な問題があることは分かっています。
でも、だからといって、その問題を少しでも、社会全体で分かち合い、分担し合って、みんなで幸せを勝ち取っていくしかないのではないでしょうか。
日本の福祉も、国際的に見れば発展途上のようです。
自分では温厚なつもりですが、このニュースだけは怒りを覚えました。
今回はここまでにしたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。