U先生の【保育あれこれ宝箱】

公立・民間合わせて保育20年、これまでの経験や知識を、できるだけ多くの人に届けたい!

【保育・子育て・暴力】叩く、蹴る、暴れる、噛む、つねる、物を投げる、暴言どうする?子どもの暴力

子育てでよくある場面

 

子育てをしていると、

さまざまな場面に出くわします。

 

相手も1人の人間です。

子どもとはいえ、

生き物としての本能を備えています。

 

時として、

子どもも暴力的な姿を見せます。

 

また、

子どもが意図的に、

暴力的な行動をしている可能性もあります。

 

 

 

暴力」というと、

何やら大袈裟な気がしますが、

細かく分類してみると、

以下の通りではないでしょうか。

 

  • 叩く、蹴る
  • 暴れる
  • 噛む
  • つねる
  • 物を投げる
  • 暴言

 

 

【叩く、蹴る】

相手を叩く、蹴るのは、

1番目にする暴力かと思います。

 

 

【暴れる】

もっと激しくなると、

寝そべって手足をバタつかせるなど、

手がつけられない…ということもあるでしょう。

 

 

【噛む】

保育をしていると、

「子どもって、人を噛むんでか?」と

驚く保護者の方もいらっしゃいます。

噛む力は強いので、傷がひどくなりがちです。

 

 

【つねる】

これは私見ですが、

「つねる」のは、

本能的ではない気がします。

つまり、つねる子どもを見ると、誰かにつねられたことがあるのでは?という可能性を考えます。

 

 

【物を投げる】

小さい子どもは、

手にした物を何気なく投げることがあります。

丁寧に危険を伝えていく必要があります。

 

 

【暴言】

いわゆる言葉の暴力です。

子どもは聞いたそのまま、

意味もわからず言葉を使うことがあります。

それだけに、

大人は言葉づかいに気を使う必要があります。

 

 

 

暴力の原因を探る

 

本能的な暴力であったとしても、

この現代の日本では、

暴力が認められるコミュニティは、

皆無です。

 

たとえ幼い子どもであっても、

暴力が正当化されることはあってはなりません。

そこは、大人として全力で伝えていかなければならないことです。

 

暴力の原因はいくつか考えられます。

 

  • ストレス
  • 不安
  • 欲求不満
  • されたことを真似ている
  • 大人の気を引く
  • 感情表出の仕方を知らない など

 

ここで重要なのは、

暴力は許されないものだと伝えながら、

その理由を探り、

その思いにはまず寄り添ってやらねばならないということです。

 

子育てをする上で、

ここは非常に重要だと思います。

 

暴力は否定しても、

子ども自身を決して否定してはいけません。

 

そして、

感情的に怒るのは逆効果です。

なぜなら、それも暴力だからです。

 

暴力に暴力で返しても、

何も生まれません。

 

 

大人としての望ましい対応

 

では、どうすればいいのか。

ここが、保育の専門性が問われるところです。

 

怒っている相手に、

頭ごなしに正論を突きつけても、

受け入れられる許容量があるとはおもえません。

 

 

  • 冷静になるまで待つ
  • 暴力の原因を探る
  • ひとまずは共感する
  • 暴力はきっぱり否定する
  • 暴力以外の方法を伝える
  • その場でやり直す
  • 次からどうしたらいいか考える

 

【冷静になるまで待つ】

子どもを追い詰めてはいけません。

自分の気持ちのコントロールどころか、

胸に渦巻く黒い感情が一体何なのか、

きっとそれにすら気づいていません。

まずは、落ち着ける時間と環境を整えましょう。

 

【原因を探り】【その思いに共感する】ことで、子どもは自分の状況を客観視しやすくなり、だんだん落ち着くでしょう。

共感されたことで、この人にならば、思いをぶつけても大丈夫だと安心感を得ます。

 

次の段階で、【暴力を否定】します。

ここはおさえるポイントです。

キッパリと端的に伝えます。

 

そのうえで、【暴力以外の選択肢を提示】します。

 

ここで暴力の原因の予想と、本人の思いの実態が合致しているか確認します。

 

ズレがあった場合は、徐々に擦り合わせて、子どもの想いに寄り添います。

 

そうすることで、暴力以外のどのような手段が有効か、答えに近づけるはずです。

 

最終的には、どうすればよかったのかはっきりしてきたら、一度その方法で実際にここまでのやり取りを【やり直し】ます。

 

例えば、「言葉で相手に伝える」なら、その言葉を実際に言います。正しい振る舞いを、実際に身体で再現することで、記憶の定着を図ります。

 

 

なかなかゴールに辿り着けない…

それでもやはり、

どうしても子どもの思いが理解できなかったり、望ましい代替え案が分からない…。

 

このままだと、

解決しないし、次へ繋がらない事態になります。

 

こうなったら、いっそ、

専門の機関に相談してみましょう。

 

ノウハウが蓄積されているので、

例えば発達検査を受けてみることで、

解決策や対応策、療育を受ける?など手立てが分かるかも知れません。

 

ハードルが高く感じるかもしれませんが、

専門家の意見を一度聞いてみるのは、

とても大事だと思います。

保育士ももちろん相談します。

 

 

 

どうしても解決しない…

 

最後に、

どうしても難しい場合、

すぐにできる対策があります。

 

根気よくくり返し伝えたとしても、理解が難しく、すぐにはできないこともあるでしょう。

 

発達上のむずかしさから、

感情をコントロールしにくいかもしれません。

 

ガマンできそうにない時は、

まずは人から物理的に離れる。

 

そして、

自分の性格や行動パターンを自覚し、

クールダウンできるようにトレーニングする。

 

罰ではなく、

自分と向き合うなどと、

前向きな感じでできることが理想です。

 

 

 

暴力は、

本人も相手も、

悲しい結果しか生み出しません。

 

周りの大人も、

できる限り未然に防ぐことが、

重要だと思います。

 

すぐに解決に至らないことが多いと思います。

 

でも、

子どもも必ず成長していきます。

根気強く向き合っていただき、

信頼できる人を見つけ相談して、

1人で抱え込まないことが大事だと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。