「早く知りたかった」保護者も怒り…保育士3人が1歳園児の頭叩き、宙づりに 容姿からかう暴言も―静岡・裾野市の保育園(静岡放送(SBS)) - Yahoo!ニュース
痛ましい事件が起こってしまいました。
世間一般の方々はきっと、
「有資格者なのに信じられない」
「ありえない事件で、園が信頼できない」
「他の園に行ったら同じことをするのでは?」
などといった意見が多く寄せられるであろうことは理解できます。
同じ保育士の立場からしても、
とんでもないことだし、
3人の保育士がしたことが、次々に明るみになるにつれて、ショックを隠しきれません。
しかし、僕は、
「可能性としては、到底ありえない、起きることが信じられない」という感想には至らず、
「あってはならないことだが、決してありえないことではない」と思いました。
その理由を述べていきたいと思います。
民間の保育園は、公立ほど転勤や人員の異動がありません。
人員の固定が続くと、一部の発言力のある個人の価値観が、その園全体の代表的な意見としてまかりとおる危険性が高まりやすくなります。
つまり、園独自の価値観やルールが横行しがちです。
いい面と悪い面があります。
メリットとしては、
最先端のいい保育の手立てが取り入れられやすい、
保育の内容改善などの変化のスピードが早い、など。
デメリットの代表的なものが、今回の事件そのものです。
発言力のある保育士が全てを決めることになると、その保育士に対して意見できる者が少なくなり、やがて誰も何も言えなくなります。
発言力があり、現場を回す力(望ましい保育かどうかは別として)のある人は、園長など上司も重宝がるので、ますます影響力が大きくなります。
周囲の者は、本当はおかしいと思っていても言い出せず、長いものに巻かれて流される方が安易ですごしやすい。
そのような状況が続くと、どんどんエスカレートして、もはや子どもの最善の利益など度外視た、今回の事件のような保育がまかり通ってしまう。
そんな状況が生まれていたのではないかと想像します。
つまり、これはどこの保育現場にでも起こりうるし、誰にでも巻き込まれる可能性のある事案であることは間違いありません。
現在の保育の現場では、そのような危険性をはらんでいるのです。
おかしいと思うことはしっかりと自分の周りの信頼できる人に伝えるなど、勇気をふりしぼってアクションを起こせるようにしなければいけません。
そして、その保育士たちの振る舞いは、園長はそれとなく把握していた可能性があります。
しかし、園への貢献度が高く、中心的な役割を担っていただろうその保育士たちを、指導できずに野放しにしていた可能性が捨てきれません。
なんにせよ。
これから詳しい調査が行われると思われるので、注視していきたいと思います。
すべては子どもたちの最善の利益のために。
今回は、内部通報により、遅まきながらも子どもたちの安全が保たれたようです。
まずは不安を抱えている保護者に詳細の説明と、通報者の安全確保とともに、繰り返さないよう可及的速やかに具体的な改善策の策定が必要でしょう。
他人事と思わず、僕もこの通報者のように、勇気ある行動をとれるようにしたいです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。