U先生の【保育あれこれ宝箱】

公立・民間合わせて保育20年、これまでの経験や知識を、できるだけ多くの人に届けたい!

【子育て・車・置き去り】悲しみしかない ヒューマンエラー 解決策は日頃の密なコミュニケーションか

車内に9時間置き去りか、2歳女児死亡 保育所も欠席の安否確認せず | 毎日新聞mainichi.jp

 

ヒューマンエラーとは

 

また、悲惨な事故がくりかえされてしまいました。

 

 

 

ヒューマンエラーとは、人間が思い違いや確認不足によって起こす、ミスや事故のことです。

 

ヒューマンエラーには、うっかりミスのような小さなものから、今回のような命の危険のある深刻な状況をもたらすものまで、幅広い種類があります。

 

大別して、意図して起こるものと意図せずして起こるものがあります。

 

 

 

今回の事故でいえば、

父親の証言により、

次女を保育園に預けたものと思い込んで、

車内に忘れていたというのが事実でしょう。

 

その証拠に、

次女を保育園まで迎えに行ってから預けていないことに気づき、自家用車の中で次女を発見していることからも明らかです。

 

自宅に帰った時、

自宅を出る時、

車内を少しでも注意深く見ていれば、

もっと早くに発見できたかも知れません。

 

 

 

 

ヒューマンエラーの原因は

 

原因は、先入観や固定観念などの認知ミス。

 

あるいは、見落としや確認ミスなどの不注意

 

または、心身の機能低下によるもの、などが考えられるでしょう。

 

 

 

今回の事故では、

次女は保育園に預けた、という思い込み。

 

自宅に帰った時、自宅から迎えに出発する時、車内を軽く見回していれば、という確認ミス。

 

長女と三女を預けた時に、

重大な考え事をしていたか、

寝不足やあるいは体調不良で、

本来の身体機能よりも低下していた可能性。

 

などが考えられるでしょう。

 

 

 

ヒューマンエラーの防止策とは

マニュアルの作成や、過去のヒューマンエラーをリスト化、危険予測のトレーニングなど様々な対策が考えられます。

 

 

今回の事故について考えてみます。

 

 

最大の原因は、

父親の次女を預けたという思い込みです。

 

 

日頃から家族と連絡を取り合って、

「子どもを預けたから仕事に行く」などと、

確認のメッセージを送り合うことなどでも防げたでしょう。

 

長女と三女を預けて、次女を預けるというルーティンが、この日に限って何かのアクシデントやトラブルで崩れてしまった可能性もあります。

 

何らかの事情により、最初の保育園から次の保育園に行く間に、予期せぬ何かが起きてしまいルーティンが崩れ失念した。

 

そして、運転席から見えにくい3列目のシートで、たまたま寝入っていた次女の存在も、同じように失念してしまった。

 

残念ですが、考えられなくはないです。

 

 

そして、園側にもヒューマンエラーが発生しています。

 

連絡がなく登園してこない子どもについては、園から連絡して確認するというのが、マニュアルとしての手続きのようです。

 

これも、忙しさのあまり失念していた、ということです。

 

これについては、本当に忙しかっただけなのだろうか?と疑念を抱きます。

 

保育士の立場から考えると、当日が土曜日というのがポイントだと考えます。

 

平日とは違い土曜日は、

登園する子どもの数が減ります。

土曜日は「登園します」と言っても急に休みになって連絡なく休む家庭も、少なくはないと思います。

 

このご家庭が、普段から休む時にまめに連絡するご家庭であったかどうかもポイントです。

 

普段からきっちり連絡する家庭であれば、

「あれ?今日は来るっていってたのに、まだ来ないのはなんだかおかしい」と気づいた保育士がいた可能性もあります。

 

保育士の立場から考えると、

園側から連絡できれば防げた事故であるのは確実である上に、こういう事故を防ぐためにあるマニュアルが守れていない、どの職員も無念であるに違いありません。

 

 

 

おわりに…

 

この事故の1番の責任は、言わずもがな、自分の子どもの所在を失念した父親にあります。

 

そして、連絡なく休んでいる家庭に連絡すべきというマニュアルがあるにも関わらず、連絡をしなかった園側の責任も重大です。

 

 

今回のこの記事で1番言いたいことですが、

ヒューマンエラーは、絶対に起きるので、複数の対策をする、あるいは機械などのツールを使うしか方法ありません。

 

大切なのは、

【ヒューマンを過信してはならない】

【危険予測を十分に行う】

【コミュニケーションを密にとる】

ではないでしょうか。

 

ご家族の、特に父親の胸中は押しはかることさえもはばかれます。

 

月並みですが、

亡くなったお子さんの命を無駄にしないように、残された私たちが再発防止策を一所懸命に考えて拡散させることが、唯一してあげられることなのではないでしょうか。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。