いろいろと考えさせられるニュースです。
記事を読むにつれ、いくつか違和感を感じました。このニュースの根底にある問題点は一体どこにあるのでしょうか。
プレスリリースの必要性の是非
吉村知事が「不適切な指導」とした今回のことは、2020年に起きたことでした。
実に2年も前のことです。
2020年11月に保護者に謝罪し、12月から病気で休職したため調査が中断されたとのことで、この9月に処分が決定したのでプレスリリースしたというところでしょう。
教育委員会から訓戒処分もあり、既に教諭は依願退職をしているとのことです。
プレスリリースの必要性の是非が問われます。
犯罪が行われたわけではなく、不適切な指導があり、教諭が謝罪もし処分も下されている。世間に公表すべきものかどうか議論の余地はありそうです。
公表しないことで「隠蔽体質」などと揶揄されることを未然に防いだという、穿った見方をしてしまいそうです。
ただ、若い20代の教諭が、今回のことにより間違いに気づきこれからの指導をどう向上させていくか、その道が閉ざされてしまいました。
となると、若い教諭への指導の仕方などは、どうなっていたのか、その点掘り下げて検証すべきだし、そこに一種、闇の深さを感じます。
保護者からの連絡で発覚
指導内容に関して、事実をそのまま捉えると、当然不適切であるし、あってはならないことです。
ただ、発覚したきっかけが、たまたま校内にいた保護者によるものだったという点がひっかかります。
その保護者がもし、目撃していなかったら、公になることがなかったかも知れない、ということの方が大きな問題です。
児童の背中に貼り紙をし、校内を歩かせているということは、少なくともこの教諭は、「この指導は誰に隠すものではなく校内には堂々と見せられるもの」と認識していたことがうかがえます。
ということは、この学校にはこの程度子どもの人権を踏み躙る指導が横行していたと考えるのが自然です。
たまたまこの若い教諭が、たまたまこの日に「貼り紙指導」をしていたのを、たまたま見られただけで、もしかしたら他の職員も同じようなことをしていたかも知れません。
この学校において、どのような指導が日常的に行われていたのか、学校関係者以外の第三者による調査が必要なことは、明白です。
なぜなら、発覚したきっかけが保護者によるものだからです。
これは想像ですが、学校内からの内部通報による発覚では、きっとプレスリリースにまでは至っていないでしょう。
学校内で適切に処理されて、教諭に指導があれば、次の支援につながるのでまだマシです。
不適切な指導自体がもみ消されて、なかったことになる可能性もあります。
最悪の事態として、これが「不適切な指導」という認識のないまま、今現在も横行していた可能性もあります。
考える機会として受け止める
この支援学校という空間では、まことしやかに、日常的に、継続的に子どもの人権侵害が行われていても、自浄作用が働かないおそれがあることが、今回のこのニュースで判明してしまいました。
学校関係者のみならず、児童支援に、あるいは教育、言うなれば子どもに関わるすべての大人に、今一度襟を正し、自分の振る舞いを省み、検証するチャンスを与えた、そういう意味ではプレスリリースする意義があっただろうと思われます。
当事者のお子さんとご家族が悲しい思いをされたことは、十分に受け止める必要があるのは大前提です。
その上てま、ここまで言及する解説などもあれば、もっと多くの人が気づき、ニュースを世に広める効果も高まるのに、とても惜しいと思い、今回ブログに書いてみました。
少しでも多くの人に気づいていただき、そうだそうだと賛同していただく、あるいはいやいやそれはおかしいですよ、などと議論が巻き起こることが、僕の本望です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。