U先生の【保育あれこれ宝箱】

公立・民間合わせて保育20年、これまでの経験や知識を、できるだけ多くの人に届けたい!

【保育・集団・集団心理】集団で動ける集団づくり 集団でいることを楽しむために

集団を動かすスキル

 

子どもでも大人でも、

人が集団になった時に、

リーダーとしてそれをうまく動かしていくには、

相応のスキルが必要かと思います。

 

僕は保育をしながら

そのスキルを必死で磨いてきましたが、

年代や性別などの違いがあっても、

ある程度汎用性があるのではないかと思っています。

 

 

ある程度自分の意図した動き方をしてもらえるように働きかけるには、

十分な経験と慣れが必要でした。

 

 

個人の意見ですが、

人によって得手不得手はあると思います。

誰でも経験を積めばある程度できる、

とは限らないのでは?と感じています。

 

 

僕は、人の前に立って発言したり何かすることは、好きだったし、前に立つことを求められることも多かったので、得意になったのかも知れません。

 

↓参考までに以前の記事です。

hoikuslime.com

 

保育などにおける集団行動のメリット

 

まわりに影響される

 

これは良い影響と悪い影響、表裏一体です。

集団でのルールとして、社会的に望ましいルールを導入すれば、

それが当たり前になり、意識しなくてもできるようになったりします。

 

  • 【あいさつをしよう】
  • 【ゴミをひろおう】
  • 【困っている人は助けよう】

 

など、誰もが気持ちよくすごすためのルールを導入すると集団の質があがります。

 

 

 

1人でできないことも経験できる

 

分かりやすい例で言うと、

おにごっこドッジボールなど大人数の人と一緒に体を動かし、一定のルールを守りながら楽しむ活動。

 

少人数グループで話し合いをしながら、考えたり相談したりして、問題解決への糸口を探るなど。

 

自分の意見を言葉で伝える

相手の意見を聞く、

自分の気持ちに折り合いをつけるなどを経て、

人と関わる力、コミュニケーション力などを伸ばすことができるでしょう。

 

 

喜びや感動を分かち合える

 

1人でももちろん達成感は味わえます。

しかし、友達と協力して、あるいは切磋琢磨して、困難を乗り越えた先にある喜びや達成感は、ひとしおでしょう。

 

もちろんデメリットもあります。

 

集団心理として、善悪の判断がつきにくくなり、結果待ち上がった行動をしてしまう。

 

密になる人間関係の中で、いじめのような現象が起きてしまう。

 

一斉に行動すると、画一的になり、個性がよく発揮されない、など。

 

 

どうしてもデメリットが強調されがちですが、

デメリットをメリットにするのは、

集団を引っぱるリーダー(保育士)の仕事です。

 

どんなデメリットが考えられるか予測しながら、デメリットを回避し、メリットが最大限に生かされるよう、導いていく必要があります。

 

 

うまく集団で動ける集団づくり

 

年齢別の心がまえ

 

【年長児】

 

ここは思い切り頼りましょう。

お兄さん・お姉さん心をくすぐります。

 

「さすが年長さん」

「この姿を、小さいクラスの子に見せたい」

「保育園のリーダーとしてひっぱってね」

 

などと、まず最初に褒められると、メンバーは前向きな気持ちになります。

あまりそこばかり強調すると、逆にプレッシャーになる可能性もあるので、様子を見ながら声をかけます。

 

自覚を促し、信頼をすると、子どもたちは前向きな気持ちで、手を抜いたりはしないはずです。

 

 

 

【年少児】

 

もう赤ちゃんじゃないと、

1人前の人間として、尊重します。

 

そして、

「できて当たり前」のことをほめます。

 

「ちゃんとこっちを見てるね」

「しずかにすわれたね」

「へんじしてくれてありがとう」など。

 

時には、お手本となる年長児の姿を見せ、具体的にイメージをつけられれるようにします。

(ああ、おおきくなったら、あんなことをするんだな)と、印象付けることが大切です。

 

まだ発達段階にある年少クラスでは、うまく集団の活動にのっていけない子が必ずいます。

 

その子の特性や発達段階に合わせて、

参加する活動を選択したり、

そばについて声をかけるなど、

個別的に支援することが大切です。

 

くり返すことで見通しがつき、

自信になり、

やがてみんなと一緒にできるようになっていくかもしれません。

 

そのために必要な人員の確保が重要です。

リーダーとサポートの保育士の連携や意思疎通も大切です。

 

年少クラスでのポイントは、

集団で動く時と、

そうでない時のメリハリをつけることが大切です。

 

「今はみんなでやります」ということを強調して、この時間はみんなでするんだという経験を積み重ねます。

 

初めは集中力がもたないので、短く時間を区切り活動を限定します。

 

朝の会や集団遊びなど、1日1回は集団であることが分かる活動を取り入れるのもいいでしょう。

 

 

個人の性格に合わせた心がまえ

 

積極的で目立つ子どもは、

声かけだけで

ねらいにそった行動をとってもらい

集団の道しるべとなってもらう

 

 

大人しく目立たない子どもは、

時々そばに寄り添い

協力してくれてありがとうと

見ていることを伝えて意欲につなげる。

 

 

 

 

集団での活動は、

デメリットが強調されがちですが、

人間は社会的な生き物です。

 

人は人と関わらないと生きていけません。

得手不得手はあるでしょうが、

どのコミュニティに所属しても

一人でやっていけるだけのスキルは

未就学の段階から養っていくべきだと、

僕は思います。

 

(非認知的能力については、また別の機会でお話ししたいです)

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました🙌