発達検査と親の思い
保育の現場で、クラス担任をしていると、発達障がいが疑われるお子さんを受け持つときがあります。
そもそも。
担任は時間をかけじっくり丁寧に保護者との関係づくりから始めて、
発達検査を受けてみるように話をもっていこうと、心血を注いで対応をしたとしても、検査を受けることが実現するのはまれです。
理由としては…。
「わが子に限って…」と、
自分の子どもを発達障がいだとは思えない、思いたくない…。
…同じ人の親として、心情はよく理解できます。
あるいは…。
そもそも自分の子どもに興味がない。
子どもに興味がないので、
どのように成長しているか、
何が得意で何が苦手か、
知らないし分かろうともしない。
などなど。
検査に行くまでがまず高いハードルで、時間がかかります。
保護者の方が、子どもの発達状況を受け入れないと、
療育どころか、検査を受けることすら進まないです。
長く保育に携わっていると、保護者からの要望でお子さんの発達検査に付き添うことがありました。
発達検査の際に、普段の様子は保護者の方から伝えられても、保育園などでの同年代の子どもの中における集団での様子は、担任からの方が的確に伝えられるからです。
親子、あるいはそれに近しい方との一対一でのやりとりでは見過ごされがちな、集団におけるお子さんの困り感は、はやり担任の方が把握している可能性が高いです。
なぜ検査を受けて、診断、判定が必要か
発達検査を受ける大きなメリットの1つが、
子どもの特性を正しく理解することで、その支援の手立てが分かることです。
お子さんの特性を、支援する者で共有できると、どこでも同じような支援を受けることができるようになっていきます。
そのことが、子どもの居心地の良い環境を整えることにもつながります。
発達の遅れは病気ではありません。
治すのではなく、よりよく育んでいくもの。
そのためにはどのような支援が必要なのか、
今のお子さんの状況を調べて評価し、効果的な支援をしていく必要があります。
子どもは、今の姿がずっと続くわけではなく、日々成長していく存在です。
正しくお子さんを理解し支援していくことで、受け入れられたという前向きな気持ちをより多く味わえるようにしたいです。
自己肯定感を高めていくことで、
心を開き人と関われるようになっていきます。
人と関わることで相手にも興味を抱き、
自分から理解しよう思いを感じとろうとするでしょう。
「障がい受容」とひと言では片付けられない保護者の方の思いがあることは、決して保育者として軽んじてはいけないし、同じ親としても忘れてはいけないことです。
難しいことではありますが、診断や判定を有効に活用し、お子さんの理解を深めるきっかけにしてもらい、温かく見守りじっくりと関わる心のゆとりをもてるようになっていただきたいと思います。
親目線の話ばかりになってしまいましたが、
もちろん、お子さんの気持ちも置き去りにしてはいけない、ということも申し添えておきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
デリケートな話なので、とりとめもないまとまらない文章になってしまいました、機会があればきちんと書き直したいと思います。