どうして夏は水遊びをするのでしょうか?
今頃、保育の現場では、水遊び・プール遊びを楽しんでいるところが多いでしょう。
いろいろな楽しい水遊びのネタがあると思います。
でも、ここではその話題ではなく、どうして夏は水遊びをするのか?を少し考えてみたいと思います。
子どもが喜ぶから水遊びをする?
生物の先祖を辿っていくと、海に由来すると言われています。
血液と海水の成分はほぼ一緒だそうです。体液のミネラル組成も、海水とほぼ同じ。
水がないとわれわれは生きていけません。
私たちにとって、水はごくありふれたもの。
子どもたちも潜在的に感じ取っているのか、水にふれることが大好きな子どもたちが多いです。水遊びやプールが予定にあると、たいていの子どもは大喜びします。
痛ましい水辺の事故
毎年のように水に関する事故、特に命に関わる重大な事故が報告されます。
保育の現場でも、痛ましい事故があったことを記憶している方も多いでしょう。
2017年8月、さいたま市の保育園で、4歳児がプールで溺れて亡くなりました。そのプールには監視役の保育士がいたものの、監視をせず他の業務を行なっていたそうです。
裁判の結果、園長と担当保育士に執行猶予付きの禁固刑が言い渡されました。
同じ保育士の立場として、このニュースを聞いたとき、ゾッとしたことを覚えています。命を預かる仕事とはよく言われるものの、明日は我が身・・・その責任の重さを痛感しました。
何を優先するか
極端なことを言えば、安全を最優先するなら、水遊び・プール遊びを止めればいいのです。保育所保育指針にも、夏はプール遊びをせねばならないとは書かれていません。
それでも、毎年多くの保育の現場では、水遊び・プール遊びが取り入れられているところが多い印象があります。実施しないところは、プールがない、場所がないなどの環境面の問題が多いのではないでしょうか。
持論を述べると、私は、命をかけてまで水遊び・プール遊びをしなくていいと考えます。基準を遵守した職員配置、塩素濃度などの水質管理、熱中症への対策、活動後の子どもの健康管理など、多くの手間と事前の準備が必要となってきます。職員同士の連携も必要でしょう。
子どもの楽しみのために!という保育士の気持ちは理解できますが、安全をないがしろにした保育は、それは保育とは呼べません。
「ねらい」を明確に
もう一つ大事なことは、水遊び・プール遊びの「ねらい」を明確にすることです。
水に親しむ
水の感触を味わう
水の中で身体が浮く感覚を味わう
水の中での身のこなし方を知る など
身近な「水」というものを全身の感覚で味わう経験はとても貴重です。
暑いし、毎年やってるから今年も水遊びやるよね??ではなく、せっかく手間暇かけて準備して、安全にも最大限に配慮して、人手も多く割いてやるわけですから、しっかりとねらいを持って、意図をもった配慮を心がけたいですよね。
安全な水遊びで、夏を乗り切ろう
子どもも、もしかしたら保育士も!?夏になったら楽しみにしている水遊び・プール遊び。
安全面には最大限の配慮をしながら、意図したねらいを職員間で共有して、水遊びを楽しみ、暑い夏を元気に乗り越えていきたいですね。
水分補給と十分な休息に配慮しながら、職員の方もガッチリガードで日除け対策、熱中症予防をして体調に気をつけて楽しんでください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。