U先生の【保育あれこれ宝箱】

公立・民間合わせて保育20年、これまでの経験や知識を、できるだけ多くの人に届けたい!

【保育・子育て】「個」の時代に「集団」で保育をする意味 集団保育の是非

「集団で保育をする」ことの意味

 

個を大切にする時代の潮流には逆行しているかもしれない、集団での保育。

 

一斉にトイレに行く

 

一斉に外遊びへ行く

 

一斉に食べる

 

一斉に寝る

 

 

 

子どもそれぞれの生活リズムに合わせたものではない、とも考えられるでしょう。

 

 

基本的な生活習慣の確立は、就学前の子どもたちには必須です。

 

 

ライフスタイルも多様になり、夜遅くまで起きていたり、昼前まで寝ていたりするご家庭も増えています。

 

 

また、支援の必要な家庭では、家庭だけでは生活リズムを整えるなどの習慣を確立するのは困難なので、サポートが必要です。

 

そうなると、保育園は、基本的な生活習慣の見本となる役割を果たすことを期待されます。

 

 

 

毎日、できるだけ決まった時間に起きる。

朝ごはんをしっかり食べる。

 

 

午前中、集中力のある時に、さまざまな活動に意欲的に取り組む。

 

お昼ごはんを食べる。

 

お昼寝をする。

 

おやつを食べる。

などなど。

 

 

毎日、可能な限り時間を変えることなく活動をすることで、だんだんと自分で見通しをもって行動できるようになります。

 

自信がついて、意欲的になります。

 

心と身体が充実してくると、好奇心をもち、さまざまな事象に対して好奇心をもち、興味をもって関わろうとします。

 

友だちの存在に気づき、能動的に関わろうとします。

 

友だち関係の広がりの中で、協働の喜び、気持ちのぶつかり合いでの葛藤、協力する楽しさなどを知り、より心の成長が促されます

 

のように、

 

 

子どもの発達の根幹部分である、基本的な生活習慣の確立は、最も大事なことの1つです。

 

 

 

 

【一斉にトイレ】

 

一斉にトイレに行くことについて考えてみます。

 

排泄が自立すると、自分でトイレに行こうとします。

 

成長とともに、おしっこをためておける時間が長くなり、間隔が長くなります

 

そうなると、活動と活動の合間に排泄を済ましておくと、次の活動に集中して取り組めます

 

保育園では、それが自分でできるように、

 

「次はお外へ行くからトイレに行っておこう」と自分で判断できるようになることが、一定のゴールであると思います。

 

一斉にトイレに行くことは、そのゴールにたどり着くための通過点に過ぎません。

 

 

僕も、

「次は絵を描くから、今のうちにトイレに行きたい人は行っておいてね」とよく声をかけていました。

 

結果的に、クラスの大部分の子どもがトイレに行くことになります。

 

そのうち、その日の予定を伝えておくだけで、先にトイレに行っておこうとする子どもが少しずつ現れます。

 

その時にすかさず声をかけます。

「自分で考えて行動できたね!」

 

それをきいて、他の子どもも自分で考えようとします。

 

友だちからのいい影響は、いくらでももらっときましょう!(笑)

 

 

 

 

【一斉に外遊び】

 

一斉に外遊びをすることについて考えます。

 

子どもたちは、年齢性別を問わず、外遊びが大好きです。

 

 

園庭の環境は、大人には分かりにくい、魅力がたくさん詰まっています。

 

草、木の葉、花、虫、石ころ、砂、水たまり、木の枝、遊具、ボール、三輪車…そして友だち。

 

 

1人遊びもとても大切なのは言うまでもありませんが、友だちや保育者と遊ぶことで、その活動量は1人遊びと比べて大幅に増えるそうです。

 

簡単なルールをのある遊びを友だちとすることで、ルールの大切さと大切さがわかるようになります。

 

1人では味わえないことが、友だちとすごすことで経験することができるのです。

 

 

 

【一斉に食べる】

 

一斉にご飯を食べることについて考えます。

 

毎日同じような生活リズムで過ごすことで、ある時間になると、お腹が空いてきます

 

 

人間にとっていちばんのご馳走は、「空腹」です。

 

 

お腹がぺこぺこの時に、温かい給食をいただくことで、食べる喜びを感じます。

 

大好きな友だちと一緒に食べ、満腹になり、満たされることで幸福感と充実感も、一緒に味わえます。

 

 

 

 

集団で過ごすメリット、とは

 

子どもの主体性という部分は大切にしなければなりません。

 

 

しかし、みんなで外遊びに行く時間に、子どもそれぞれに「あなたは外へ行きますか?」とは聞きません。

 

行くか行かないか、そこから子どもに判断させることは、酷です。

 

その判断は、保育者がすべきだと僕は思います。

 

 

そのタイミングで、子どもの主体性をどこで発揮させるかねらうとするならば、

 

外遊びで何をして遊ぶか、自分で選べるようにたくさん選択肢を用意したり、環境を整えたりすることで、子どもの選択の後押しをすること。

 

だと思います。

 

主体性を大事にしています!という保育目標はよく聞きますが、

 

子どもがのびのびと活動するための基礎的な環境整備は、大人の仕事です。

 

間違っても、大人の作業の手間を惜しむために子どもの「主体性」を振りかざしてはいけません。

 

 

 

 

それぞれの家庭の事情があって、たまたま同じ保育園に来ている子どもたち。

 

その偶然の出会いが、彼らのこれからも続く人生の中の大切な1日になるように、ハッピーを明日へと繋いでいけるように、僕らはそう願って毎日保育していければ、みんなハッピーになれるのではないかと思っています。

 

多くの時間を友だちと過ごすことになる、保育園での時間。

 

楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも、嫌なことも、全て学びにつながります。

 

【集団で学べること】。これが保育園の最大の強みです。

 

集団の力が、個の育ちへの後押しになればいいなと思います。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

メリークリスマス!にはちょっと早い。