U先生の【保育あれこれ宝箱】

公立・民間合わせて保育20年、これまでの経験や知識を、できるだけ多くの人に届けたい!

【保育・ケガ】保育士が1番凹む時 子どもがケガをした時

保育中に、子どもがケガをする場面に出くわすことがあります。

 

保育は、

子どもにとって、

安心安全であることが大前提ですが、

子どもの動きを完全に予測することは不可能。

 

保育士としても最大限の配慮はすべきですが、こちらの意図せぬ行動をとることもしばしばある中で、100%ケガを防ぐことは100%無理です。

 

 

僕の経験上、

保育士が1番落ち込んで、気持ちが凹むのは、

保育中に子どもがケガをした時だと思います。

 

 

何年も前のことなのに、

今でも鮮明に覚えているケガが何件も思い起こされます。

 

 

これは、

僕が今までで1番大きなケガを

目撃してしまった話です。

 

 

夏、プールをしている時、

プールの中の3歳児の女の子が、

イルカになりきって、

前方に頭からジャンプをしました。

 

その子は、

プールの中の立っていた場所からプールの壁までの距離と、

自分のジャンプできる距離感を見誤り、

近距離からプールの壁までジャンプしました。

 

 

プールの外から見守っていた僕が、

あっ!と思った瞬間にはもう手遅れでした。

 

 

口元をコンクリート製の壁に強打、自分の歯で下唇を噛み切り、大流血しました。

 

 

すぐに病院へ搬送し、18針縫いました。

処置をした医師によるともう少しで下唇を噛みちぎるところだった、とのことです。

 

処置が適切で早かったことが幸いして、奇跡的に傷がきれいに治り、縫いあともほとんど残らずに済み、保護者の方ともトラブルもなくおえることができました。

 

 

 

しかし、

これは未然に防げた事故です

 

この事故について職員間で検証し、再発防止策を検討しました。

 

  • プールの時の活動をもう一度精査し、安全を最優先とする
  • プールの壁のへりには、ぶつかっても怪我をしにくいようにクッションを取り付ける

 

 

 

 

よく言われるように、

1つの事故の背景には、

たくさんのヒヤリハットがあります。

 

 

日々の保育の中で、

いかにそのヒヤリハットに気づき、

職員間で共有できるかで、

事故を起こす確率は下げられることができるはずです。

 

 

 

そして、ここが肝心ですが、

子どもにケガをさせたことを、

その保育士の胸に刻み込んでほしいです。

 

これを、

これから先の未来に出会うであろう、

子どもたちのケガを未然に防ぐ「意志」へとつなげていくことが大切です。

 

 

 

ケガをしたお子さんは気の毒ですが、

事故を検証し再発防止策をすることで、

二度と同じ事故は起こさないようにすることができます。

 

その積み重ねが、

より安心安全な保育へつながっていきます。

ケガをしたお子さんの痛みを無駄にしてはいけません。

 

 

自分がケガをさせてしまった時、

とても落ち込みましたが、

でも、1番苦しいのはケガをした子どもです。

保育士が落ち込んでいる場合ではないと、

自分に言い聞かせるようにしていました。

 

 

きっと、

同じ思いを味わった保育士さん、

必ずいると思います。

 

子育てのプロとして、

教訓を活かし、

未来へとつなげ、

より安心安全な保育が実現していくことを願っています。

 

 

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

毎度、子どもの若い細胞の再生能力には驚かされます。