見直したい言葉づかいと表現
僕自身、子育てのプロとして、どうしてもゆずれないことがあります。
子どもに対する言葉がけについてです。
私たち保育士は、子どもの記録を書いたり、保護者向けに1日のできごとを書いて知らせたり、毎月のおたよりの準備をしたりと、言葉づかいや表現と日々向き合いながらすごしています。
どんな言葉がけをすれば子どもが理解しやすいのか、毎日のように悩んだり葛藤したりもしています。
言葉は、自身の思いの表れ
僕が気をつけているのは、
例えば、
「子どもを並ばせる」
「何回も言って分からせる」
「1人1回は参加させる」
「できるまで自分でさせる」
などのように、
『〇〇させる』という表現は、使わないようにしています。
意図的な文章にしていますが、お気づきの通り、否定的なニュアンスが読み取れると思います。
また、指示的な「上から目線」の対応によって、子どもには無意識的に、保育士と子どもが対等な関係ではないことが刷り込まれてしまうおそれがあります。親子関係でも同じことが言えるでしょう。
すると、こちらからの指示がないと動けないようになってしまったり、自分の思いをうまく、正しく、相手に表しにくくなってしまいます。
無意識に使っていることもあるでしょう。
同じような結果を招いてしまうとするならば、日頃から子どもへの声かけは、きちんと意図したものであることが望ましいです。
子どもを主体性を尊重し、意思や感情をもった存在としてとらえ、大切に扱うようにする。
そうすることで、子どもがのびのびと自分の思っていることを、感じたものを、うまく表現できるよう支援することにもつながります。
理想的な言葉がけ
子どもが自分から能動的に行動する、主体性を育むことを大切にしていくために、子どもを主体とした表現を使います。
「子どもを並ばせる」
→「子どもが自分で並べるように…」
「何回も言って分からせる」
→「子どもが理解できるように…」
「1人1回は参加させる」
→「1人1回は参加できるように…」
「できるまで自分でさせる」
→「最後までしようと思えるように…」
言葉に魂が宿る、「言霊」という言葉を、僕は信じています。
子どもファーストの意識があれば、自ずと発する言葉も、少しずつ変えていけると信じています。
言葉の力を信じて、言葉を大切に。
自分の中の言葉を磨くことは、お金のかからないオシャレとおんなじ。
気持ちを込めた言葉がけをすれば、内容は同じでも相手の心に浸透しやすいのではないか、と思います。
こうして文章にすることで、自分自身の振る舞いをもう一度見直す機会にしたいです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
子どもの幸せを願う気持ちは、みなさん一緒ですもんね。