U先生の【保育あれこれ宝箱】

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【保育・虐待】1歳児暴行事件 保育士逮捕 事件の原因の考察 どうして起きた?

「バタついて冷静な行為ができなかった」保育園園児虐待事件で逮捕された元保育士の39歳の女が説明 静岡・裾野市 - LOOK 静岡朝日テレビ

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毎日ニュースになっており、都度新しい動きが出てきている、静岡県裾野市の保育士による1歳児虐待事件。

 

行政と警察、双方から厳しい指摘を受けているさくら保育園側ですが、保育士の立場としてはどうしてこのような虐待が起きてしまったのか、自分なりに考察してみました。

 

 

保育現場は閉ざされた空間

 

子どもを大切に保育するにあたって、安全の確保が重要になってきます。

 

 

園の出入り口はオートロックにしたり、

来園者とはインターフォン越しに話をしたり、監視カメラを設置したりと、

各園により差はあるもののセキュリティのレベルは近年上がってきていまず。

 

 

このことが、地域のコミュニティに開かれた保育園であることからは、乖離した現実を感じることができます。

 

 

つまり、保育園の中でどんなことが行われていて、どんな子がいて、どんな先生がいて、毎日どのように過ごしているのか、知ることが容易ではなくなってきていることが、保育園の閉鎖性を助長しています。

 

 

閉鎖性は保育園の中にもはびこっている

 

保育園では、ほとんどの園で学年によるクラス制になっています。

 

 

意識的に連携していないと、となりのクラスでどんな保育が行われているのか、よく分からないというのは、想像に難くありません。

 

 

いわゆる不適切な保育が行われていたとしても、担任以外は気づけない危険性もあります。

 

さらには、担任はそれぞれの年齢に応じた、

配置基準により決まっています。

 

  • 0歳児→保育士1人につき子ども3人
  • 1・2歳児→保育士1人につき子ども6人
  • 3歳児は→保育士1人につき子ども20人
  • 4・5歳児→保育士1人につき子ども30人

 

これは厚労省が定めた保育士の配置基準です。もう数十年変わっていません。

 

お分かりのように、

この配置基準では、昨今の様々な配慮が必要な子どもさんへの手厚い保育はおろか、増える一方の保護者の方の保育へのニーズには応えることはできません。

 

 

自分のクラスだけではなく、隣のクラスまで気を配る、なんてことは到底無理な話です。

 

現場をカバーするはずの、フリーの保育士や主任、園長も同様に自分の仕事に追われ、保育の現場を見守る余裕なんてどこにもありません。

 

 

 

 

保育士の裁量が大きすぎる

 

もう一つの大きな問題点は、

保育内容の決定のプロセスにあります。

 

 

保育士のバイブルでもある、

「保育指針」が大元にあり、

保育園ごとに保育の根幹部分である保育方針が決められています。

 

それに則って年間カリキュラム月間カリキュラムなど、実際のクラスの保育へと落とし込んで、保育が行われていきます。

 

 

カリキュラムなどは主に担任が作成することになりますが、それが個人的には保育士個人の裁量による決定する幅が大きすぎると思います。

 

 

ざっくり言うと、同じ保育園の保育方針の下でも、担任によりガラリと取り組み内容が違ってくることがほとんどです

 

例えば、あの先生が4歳児もったときはこうしていたのに、違う先生が4歳児もったときはこうだった、という話は、保育のあるある話です。

 

その時の子どもの姿に合わせた保育を展開しているという大義名分はあります。

 

 

乱暴な言い方をすれば、とりあえずやってみよう、やってみて合わなければ軌道修正しよう、みたいな考え方もできなくはないのです。

 

カリキュラムを事前に職員同士で検討することは、どの園でもしていることだとは思いますが、あくまでカリキュラムはこれからの保育の計画に過ぎません。

 

 

 

計画を立てるのも担任であれば、実行するのも担任で、あとから振り返るのも担任です。

 

 

 

だれかが見ていなければ、不適切な保育がなされていても、担任のレベルで容易におさまってしまう可能性が高いです。

 

視野が狭くなったり、自分の選択に間違いがないと勘違いしたりも起こりえます。

 

 

ここが、今回の事件の根源的な原因ではないかと、僕は考えます。

 

 

 

 

保育業界、変革のチャンス

 

 

恐ろしいことに、

おそらく全国の保育の現場は、

どこも大きく環境は違わないはずです。

 

つまり、今回の事件に近い予備軍のようなできごとは、全国的に津々浦々まで、例外なくはびこっているおそれがあります

 

 

今回の逮捕を受けて、

芋づる式に、さまざまな事件やできごとが、報道により現れてくることが予想されます。

 

 

 

僕は、これは逆にチャンスだと思います。

世間の注目が保育業界に注がれている今、形を変える大きなチャンスだと思っています!

 

 

ぜひ、保育の現場に携わるすべての人は、

おかしいことには、おかしいと声を上げ、

このチャンスに膿をだしきって欲しいと思います。

 

勇気がない、

きっかけがない、

どうすればいいかわからない…。

 

様々な思いを持ちながら、

日々、子どもに向き合っている保育士のみなさん。

 

おつかれさまです。

 

今こそ、アクションを起こすべきです。

全ては子どもたちのために。

 

 

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

【保育・虐待】静岡 裾野市 想像を上回る虐待 暴行 暴言 障害 恐喝 

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静岡県裾野市で起こった、保育士3人による1歳児虐待事件の続報です。

 

 

 

【以下、記事からの一部抜粋になります】

 

裾野市が報告を受けた、3人の保育士による問題行為です。

(1)ロッカーに入って泣いている園児の姿を個人所有の携帯電話で撮影

人権侵害です。そして保育園ではほとんどの園で個人の携帯が使われていると思われます。それで児童を撮影するとなると、個人情報の漏洩に直結します。

 

(2)園児の頭をバインダーでたたき泣かせる

→理由は分かりませんが、暴行です。ストレス発散としか思えません。

 

(3)棚に入った園児の足をつかんで引っ張り出し、あしをつかみ宙づりにする

→同じことを大人がされたら、ホラー映画です。戦慄が走ります。

 

(4)あらかじめ遅刻する連絡のあった園児に対し、腕を引っ張り「遅いんだよ」と怒鳴る

→遅れるのは児童のせいではありません。保護者が連れてくるのが遅くなっただけで、子どもには何の責任もありません。言いがかりです。

 

(5)寝かしつけた園児に対し「ご臨終です」と何度も発言

人権侵害です。言葉遣いのセンスも抜群に悪く、何も面白くありません。

 

(6)泣かない園児に対し、額をたたき無理やり泣かせようとする

→保育士の威厳を示したかったのでしょうか、服従しないと叩く、猛獣使いのようです。

 

(7)昼食時に園児を怒鳴りつけ、ほほをつねる

→子どもを怒鳴ったりほほをつねったりしても給食を食べたりしないことを、学校で習わなかったようです。ただの暴行です。

 

(8)日常的に特定の園児に対し、にらみつけ声を荒げ、ズボンを無理やりおろす

→とても不快で陰湿ないじめです。

 

(9)園児を宙づりにした後、真っ暗な排泄室に放置

→明らかなネグレクトです。

 

(10)園児の様子を馬鹿にした呼びかけ(ブス、デブ等)、暴言を浴びせる

→もはや人間扱いしていません

 

(11)手足口病の症状のある園児の尻を、無理やり他の園児に触らせる

→個人的には、これが1番理解し難い行為です。手足口病をクラスで広めさせて、一体どうするつもりなのでしょう、全く理解できません。

 

(12)給食を食べない園児に対し、突然、後ろから頭をたたく

→子どもの頭を叩いても、給食を食べたりしないことを、学校で習わなかったようです。

 

(13)不適切な発言をして、玩具が入っている倉庫に閉じ込める

悪質極まりないです。

 

(14)園児に対し、カッターナイフをみせ脅す

恫喝です。何が目的なのか、さっぱりわかりません。

 

(15)丸めたゴザで園児の頭をたたく

暴行です。
 

 

よくもまあ、こんなに酷い行為を思いついて、実行できたものです。

 

感覚の違いに、唖然とします。

 

もしも。

シタ側の保育士が反対の立場になって、サレる側になったことを少しでも想像してみたら、恐怖でしかありません。

 

15のうち、1つでも十分に虐待案件ですが、これほどまでに悲惨な内容だと、本当に現実にあったことなのか、想像力が追いつきません。

 

子どもたちの気持ちを考えると、暗澹たる思いです、この世の地獄だったことでしょう。

 

 

今はただただ、当事者の子どもたちの平穏と、保護者の方の不安な気持ちが少しでも軽くなることだけを祈ることしか、同業者のわれわれにできることは残されていない気がします。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

【保育・虐待】1歳児逆さ吊り 保育士による虐待 静岡 裾野市

「早く知りたかった」保護者も怒り…保育士3人が1歳園児の頭叩き、宙づりに 容姿からかう暴言も―静岡・裾野市の保育園(静岡放送(SBS)) - Yahoo!ニュース

 

痛ましい事件が起こってしまいました。

 

世間一般の方々はきっと、

 

「有資格者なのに信じられない」

「ありえない事件で、園が信頼できない」

「他の園に行ったら同じことをするのでは?」

 

などといった意見が多く寄せられるであろうことは理解できます。

 

 

同じ保育士の立場からしても、

とんでもないことだし、

3人の保育士がしたことが、次々に明るみになるにつれて、ショックを隠しきれません。

 

しかし、僕は、

「可能性としては、到底ありえない、起きることが信じられない」という感想には至らず、

「あってはならないことだが、決してありえないことではない」と思いました。

 

 

その理由を述べていきたいと思います。

 

民間の保育園は、公立ほど転勤や人員の異動がありません。

 

人員の固定が続くと、一部の発言力のある個人の価値観が、その園全体の代表的な意見としてまかりとおる危険性が高まりやすくなります。

 

つまり、園独自の価値観やルールが横行しがちです。

 

 

いい面と悪い面があります。

 

メリットとしては、

最先端のいい保育の手立てが取り入れられやすい、

保育の内容改善などの変化のスピードが早い、など。

 

 

デメリットの代表的なものが、今回の事件そのものです。

 

発言力のある保育士が全てを決めることになると、その保育士に対して意見できる者が少なくなり、やがて誰も何も言えなくなります。

 

発言力があり、現場を回す力(望ましい保育かどうかは別として)のある人は、園長など上司も重宝がるので、ますます影響力が大きくなります。

 

周囲の者は、本当はおかしいと思っていても言い出せず、長いものに巻かれて流される方が安易ですごしやすい。

 

そのような状況が続くと、どんどんエスカレートして、もはや子どもの最善の利益など度外視た、今回の事件のような保育がまかり通ってしまう。

 

そんな状況が生まれていたのではないかと想像します。

 

つまり、これはどこの保育現場にでも起こりうるし、誰にでも巻き込まれる可能性のある事案であることは間違いありません。

 

現在の保育の現場では、そのような危険性をはらんでいるのです。

 

おかしいと思うことはしっかりと自分の周りの信頼できる人に伝えるなど、勇気をふりしぼってアクションを起こせるようにしなければいけません。

 

 

そして、その保育士たちの振る舞いは、園長はそれとなく把握していた可能性があります。

 

しかし、園への貢献度が高く、中心的な役割を担っていただろうその保育士たちを、指導できずに野放しにしていた可能性が捨てきれません。

 

なんにせよ。

これから詳しい調査が行われると思われるので、注視していきたいと思います。

 

 

すべては子どもたちの最善の利益のために。

 

今回は、内部通報により、遅まきながらも子どもたちの安全が保たれたようです。

 

まずは不安を抱えている保護者に詳細の説明と、通報者の安全確保とともに、繰り返さないよう可及的速やかに具体的な改善策の策定が必要でしょう。

 

他人事と思わず、僕もこの通報者のように、勇気ある行動をとれるようにしたいです。

 

 

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

【子育て・教育】子は宝 教育費無償化 多子世帯支援 子は宝

news.yahoo.co.jp

出生率

 

一定期間の出生数の、人口に対する割合。一般に、人口1000人当たりの、1年間の出生児数の割合をいう。日本では毎年10月1日現在の人口を基準とする。

 

出生率がどんどん低下し続けています。

詳しくは、ニュースの記事にゆずります。

 

 

さらには、少子化が悪化の一途を辿っています。

 

 

この何十年も、「少子化」「少子化」と機会があれば声高に叫ばれていました、叫ばれていたにも関わらず、全く改善の兆しがありません。

 

これはこれまでの政策がうまくいっていないことを示唆しています。

 

抜本的に、今までよりもはるかに強力な対策が待ったなし!の現実を突きつけられました。

 

 

 

 

実際に子育てをしていて感じることは、わが子がこの先、この日本で幸せに暮らしていけるかどうか不確かであること。

 

1番の懸案は、やはり教育費の問題ではないでしょうか。

 

 

 

 

子ども一人当たりの教育費は、1000万円とも言われています。

 

出産一時金を増額する話も出ているようですが、子どもは出産すればケアがいらないわけではありません、ここからがスタートです。

 

 

最初に手当てをもらっても、その後が続かなければ、もう一人、あともう一人と子どもをもうけようとは思えないのは至極当然です。

 

どうして、そこに気付けないのか、気づいているとしたらなぜ国としてケアしていけないのか疑問です。

 

優秀な方が、政治家や官僚にはいらっしゃるでしょうに、子育てしている政治家や官僚の方も大勢いらっしゃるでしょうに、そこへ手当がないのは、意図的な何か他の外的要因が阻害している可能性すら感じます。

 

 

それくらい、教育費の問題は深刻であり、待ったなしの分野ではないかと思います。

 

かなり後手後手に回っていますが、今この瞬間からすぐにでも考え直していただいて、教育費の無償化、あるいは補助金、特に多子家庭への援助を手厚くしていただきたい、全子育て世帯がそのように思っているはずです。

 

やるなら、今でしょ!

子どものためならがんばって働きますので、どうか国としてもフォローしてください。

よろしくお願いします。

 

切実な訴えでした。

 

【保育・子育て】子育て世帯 米10kg アリ?ナシ?

news.yahoo.co.jp

 

 

わが家は、子育て世帯です。

 

なので、正直、米10kgがもらえるのは、とても助かります。

 

米は、ある程度保存も効くし、みんな米はよく食べるし、買うとなると重いし…。

 

今回の大阪府の支援には好意的な意見です。

 

それはそうですよね、もらえるんだから。

 

胎児も、10kgもらえるそうです(笑)

 

 

 

 

世の中にはいろいろな立場の人がいます。

 

今回のニュースは、

子育てしていない経済的に困窮している世帯の人などは、おもしろくないでしょう。

「うちにもお米ください」となるのは当然だと思います。

 

あるいは、

「米じゃなくて現金がいい」という意見もあるでしょう。

 

現金の方が重たくないし、現金で好きな銘柄のお米も買える、お米には困っていないから、他の食品などの用途にも使える…など。

 

知事としては、「子育て支援」なので、米ならば直接子どもに届きやすいのではないか、という考えのようです。

 

 

また、

「どうしていつも子育て世帯ばかりなのか」という意見もあるようです。

国策として少子化をどうにかしたい、ということで補助金などもあるようです。

 

それにそった政策であろうとは思いますが、毎回子育て世帯を優先されたら、不満も言いたくなるのは理解できます。

 

 

 

支援をもらえる僕が言うのは、客観的な第三者ではないので、フェアではないかもしれませんが。

 

素直に、この子育て支援の政策は、いいことだとおもいます。

 

よし、まずは子どもが優先だ、という気概は、他の政治家も見習ってほしいです。

 

次世代を担う子どもたちを育てないと、日本は成り立っていかないのは誰もが理解していることだと思います。

 

子どもにはいくら金をかけてもかけすぎなんてことはないと思います。

 

子どもはやがて育ち、大人になります。

その大人が次の子どもを産み、育てていくのです。

 

社会は循環していて、未来へ投資していかないと、発展していけません。

 

大人は、自分の努力で少しでも自分の生活をよくしていける可能性があります。

子どもは、大人や環境に依存している割合がおおきいので、自助努力には限界があります。

 

子どもは、大人や社会が守り育てていく存在です。

 

子育て支援を受け入れられないと主張する人が増えているのだとしたら、今の日本は自分のことで精一杯で、満たされていない大人が増えている証拠でもあるでしょう。

 

だからこそ、未来の日本を少しでも豊かにするために、今こそ子どもを支援していくべきだと、保育士の立場から考えます。

 

かわいい子どもたちの成長を、温かく大人が見守れるコミュニティが少しでも広がってくれればいいのに、と思います。

 

 

最後まで読んでいたただいて、ありがとうございます。

 

米は、新米がもらえるのでしょうか?(笑)

【児童支援・子育て】支援学校の不適切な指導 プレスリリースの必要性の是非

「先生の給食を勝手に食べました」大阪府立の支援学校で、教諭が小1児童の背中に貼り紙。20分間校内を歩き回り、訓戒処分に(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース

 

 

 

いろいろと考えさせられるニュースです。

 

記事を読むにつれ、いくつか違和感を感じました。このニュースの根底にある問題点は一体どこにあるのでしょうか。

 

 

 

プレスリリースの必要性の是非

 

吉村知事が「不適切な指導」とした今回のことは、2020年に起きたことでした。

 

実に2年も前のことです。

 

 

2020年11月に保護者に謝罪し、12月から病気で休職したため調査が中断されたとのことで、この9月に処分が決定したのでプレスリリースしたというところでしょう。

 

教育委員会から訓戒処分もあり、既に教諭は依願退職をしているとのことです。

 

 

プレスリリースの必要性の是非が問われます。

 

 

犯罪が行われたわけではなく、不適切な指導があり、教諭が謝罪もし処分も下されている。世間に公表すべきものかどうか議論の余地はありそうです。

 

公表しないことで「隠蔽体質」などと揶揄されることを未然に防いだという、穿った見方をしてしまいそうです。

 

 

ただ、若い20代の教諭が、今回のことにより間違いに気づきこれからの指導をどう向上させていくか、その道が閉ざされてしまいました。

 

となると、若い教諭への指導の仕方などは、どうなっていたのか、その点掘り下げて検証すべきだし、そこに一種、闇の深さを感じます。

 

 

 

保護者からの連絡で発覚

 

指導内容に関して、事実をそのまま捉えると、当然不適切であるし、あってはならないことです。

 

ただ、発覚したきっかけが、たまたま校内にいた保護者によるものだったという点がひっかかります。

 

その保護者がもし、目撃していなかったら、公になることがなかったかも知れない、ということの方が大きな問題です。

 

 

 

児童の背中に貼り紙をし、校内を歩かせているということは、少なくともこの教諭は、「この指導は誰に隠すものではなく校内には堂々と見せられるもの」と認識していたことがうかがえます。

 

ということは、この学校にはこの程度子どもの人権を踏み躙る指導が横行していたと考えるのが自然です。

 

たまたまこの若い教諭が、たまたまこの日に「貼り紙指導」をしていたのを、たまたま見られただけで、もしかしたら他の職員も同じようなことをしていたかも知れません。

 

 

 

この学校において、どのような指導が日常的に行われていたのか、学校関係者以外の第三者による調査が必要なことは、明白です。

 

 

なぜなら、発覚したきっかけが保護者によるものだからです。

 

 

これは想像ですが、学校内からの内部通報による発覚では、きっとプレスリリースにまでは至っていないでしょう。

 

学校内で適切に処理されて、教諭に指導があれば、次の支援につながるのでまだマシです。

 

 

不適切な指導自体がもみ消されて、なかったことになる可能性もあります。

 

 

最悪の事態として、これが「不適切な指導」という認識のないまま、今現在も横行していた可能性もあります。

 

 

 

 

考える機会として受け止める

 

この支援学校という空間では、まことしやかに、日常的に、継続的に子どもの人権侵害が行われていても、自浄作用が働かないおそれがあることが、今回のこのニュースで判明してしまいました。

 

学校関係者のみならず、児童支援に、あるいは教育、言うなれば子どもに関わるすべての大人に、今一度襟を正し、自分の振る舞いを省み、検証するチャンスを与えた、そういう意味ではプレスリリースする意義があっただろうと思われます。

 

当事者のお子さんとご家族が悲しい思いをされたことは、十分に受け止める必要があるのは大前提です。

 

その上てま、ここまで言及する解説などもあれば、もっと多くの人が気づき、ニュースを世に広める効果も高まるのに、とても惜しいと思い、今回ブログに書いてみました。

 

 

少しでも多くの人に気づいていただき、そうだそうだと賛同していただく、あるいはいやいやそれはおかしいですよ、などと議論が巻き起こることが、僕の本望です。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

【保育・子育て】小倉将信こども政策担当相 園にも責任があるとしたら大臣の発言は無責任

2歳児死亡「園の責任は重い」「負担軽減へ努力」 小倉こども政策相:朝日新聞デジタルwww.asahi.com

 

2歳児、車内置き去り死亡事件。

 

小倉将信こども政策担当相は令和4年11月15日の閣議後会見で「保育園の方で登園管理をしてくだされば救えた命だと思っている。園の責任は重い」と述べました。

 

会見の全文など、検索してみましたが出てこなかったので、いろいろなニュース記事を見比べて、大臣の発言について考えてみました。

 

 

わざわざ言うべきことではない。

 

「園の責任は重い」。

 

この言葉だけは、保育の現場に携わっている人は大臣の口から聞きたくなかった言葉ではないでしょうか。

 

今さら何を、言わずもがな、現場の人たちは毎日毎日、考えています、思っています。

 

命を預かる仕事だと。

 

責任のある仕事だと。

 

 

いわばこども政策の長である大臣にわざわざ言われなくても分かっていることです。

 

 

彼は、全く現場のことを知らないし、考えてないし、想像力も働かない、ということを世間の保育関係者に知らしめてしまいました。

 

完全にセルフプロデュースの失敗です。

 

自己保身しか考えてないのがありありと分かります。

 

 

そして、慌てて全国に、自園の児童の欠席確認連絡の徹底を呼びかけました。

 

これが一体何を意味するか、きっと大臣は想像さえできていません。

 

全然わかっていない大臣のために、分かりやすく説明したいと思います。

 

 

【欠席確認連絡】の難しさ

 

欠席確認連絡。

これがいかに手間のかかる大変なことか。

 

出席確認はすぐにできます。

来ている子どもを名簿で照合すればいいだけです。

 

 

問題は、来ていない子どもが欠席かどうか確認するということです。

 

 

仮にある保育園で、

9:30までに欠席の連絡をしてくださいと、保護者に呼びかけていたとします。

 

 

例えば、いつも9:30をすぎて登園するご家庭はどうしますか?

 

来るだろうと思っていたら、来なかった、待っていても来ない、いつも登園する時間を過ぎても来ない、と思ったらいつもより大幅に遅れて登園してきた。

 

遅れるときは連絡をしてください、と園はお願いするしかありません。

そして、来ない間は誰かが常に、来るのか来ないのか気にしていないといけません、なんと生産性のない業務でしょうか。

 

 

 

例えば、9:30を過ぎても登園しないので、母親に連絡しました。仕事中なので電話には出られません。早急に折り返し連絡をもらえるように伝えます。父親に電話しました、電話がつながらず連絡がとれません。

 

いつまで経っても連絡がありません、そうこうしているうちに、15:00ごろ父親から電話があり、仕事が休みなので自宅で見ますとの連絡がありました。

 

 

このようなケースが同時多発で起こる可能性があります。その間、何度も連絡を試みるために保育士の手が割かれ、本来子どもの保育に充てられる人員が減ることになります。

 

 

アプリやメールなど、デジタルツールを導入しているところもあるでしょう。

 

しかし、いずれにせよ、保護者の協力がないと成り立ちません。

 

欠席の連絡は、保護者発信の保護者任せになります。

 

保育士から、「明日は休みですか?」と聞くのはとてもハードルが高いです。

 

「休めってことですか?」と誤解される可能性があります。

 

 

つまり、

さまざまな理由により、

この点において保育士に負担を求めるのは筋が違うと、僕は確信しています。

 

 

「園の責任が重い」と言う前に。

 

「園の責任が重い」という前に、大臣よりも毎日毎日子どもに密接に関わり、一所懸命保育している保育士が、どうして欠席連絡の確認を失念してしまうような状況になっているのか、想像力を働かせることをしない大臣の方が、よっぽど責任が重いです。

 

 

園にも責任があるとしたら、それ以上に大臣の発言が無責任です。

 

 

保護者の安全確認の責任が第一義である、との発言もあったようです。

 

それならば、

  • まず保護者が欠席連絡を確実にするということを徹底できるように啓発するだけではなく、入園の際に「連絡なくトラブルがあった場合は園は責任を取らない」とする同意をとる

 

  • 出欠の連絡を、手間と時間のかかる電話ではなく、アプリなどのシステムを早急に準備し現場に導入する。そのシステムを管理する人間の配置やそれにかかる経費について補助金を充てる

 

これくらいの対応をした上で、これまでよりもさらに注意深く、子どもの命を預かる責任を再度確認するのならば、保育士の方々は素直に受け入れることができるでしょう。

 

 

最後に…。

 

保育に携る人たちは、今回の事故でみなさん胸を痛めていると思います。

 

他人事ではなく、明日は我が身に起こることと、戦々恐々としているでしょう。

 

そんな保育士に寄り添えない大臣が、トップに立つのはとてもやるせないです。

 

やはり、現場を知る人間を霞ヶ関に送れない、保育士という職業の社会的地位の低さを、今回の発言からも直視せざるを得ませんでした。

 

賃金も上がらない、職場環境が改善しないなど根本的な理由はここにある気がします。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。